とりこぎん

こぎん刺しを楽しむブログです

こぎん刺しの図案5

こぎんタイル用に刺している「うろこ」と「裏うろこ」の図案。こぎん刺しの「もどこ」には「かちゃらず」と「豆こ」のように、表裏で対になるようなものがある。この図案は、きれいに表裏で逆転するので、「うろこ」と「裏うろこ」を組み合わせると全く同じ模様が出来上がる。

表がこれで、

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裏がこれ。

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もちろん、「うろこ」だけでも、「裏うろこ」だけで刺してもいいのだけど。これが面白くて、つい「うろこ」はこの組み合わせで刺すことが多いかな。

こういう「もどこ」って最初からできたのか、それとも偶然で裏から見たらこれ使えない?ってなったものなのか。そんな想像しながら刺すのも楽しい。

こぎん刺しはある意味、単調な手作業の繰り返し。特にこういう図案は単純な方なので、刺しながらちょっと他のことを考えたりする時間もけっこう好き。図案にそれほど集中することもないので、手と頭が半々で動いている感じ。

ストレスが溜まっていた頃は、とにかく淡々と針を進めて心を無にする、なんてこともあったけれど。今は、せっかくこぎん刺しを刺すならば、なるべく楽しんでやりたいと思っている。穏やかな気持ちで布と向き合った方が、落ち着いた仕上がりになるのではないかなと(すぐブレるけど)。なにより刺し間違いが断然少ない!心の揺れは針に乗り移るに違いない…。

喜怒哀楽が針に出て、それがこぎん刺しの味になって。古作こぎんの存在感は、そういうところにもあるのかもしれない。こぎん刺しの刺し手の女性たちも、楽しくおしゃべりしながら刺したり、時にはちょっとイライラしながら針を進めて、気持ちを落ち着けたりしていたのかな。